レストランなどの飲食店に対して、酒類のテイクアウト(持ち帰り)販売ができるよう、特例として期限付きの酒類小売り販売免許を付与することが決定されました。

料飲店等期限付酒類小売業免許 に関するQ&A(国税庁資料)

【措置の概要】
  • 料飲店等が、新型コロナウイルス感染症に基因して、在庫酒類の持ち帰り用 販売等により資金確保を図るものについて、迅速な手続で期限付酒類小売 業免許を付与します。
  • 令和2年6月 30 日(火)までに提出のあった免許申請書に限ります。
  • 免許には、免許付与から6か月間の期限が付されます。
  • 自治体等から各種の要請等がある場合、これに従うことを条件とします。
  • 国税庁資料 『在庫酒類の持ち帰り用販売等をしたい料飲店等の方へ (期限付酒類小売業免許の付与について)』

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-036_02.pdf

原則的に、飲食店では酒類販売業免許の取得ができませんし、例外的に認められる場合であっても免許取得に最低2か月はかかります。

しかし、この特例により、飲食店が短期間で酒類販売業免許を取得して、テイクアウト用の料理に加え、ワインやビールを小売りすることができます。

メリットとしては、飲食提供用酒類の在庫を小売販売することが可能になります。また、顧客の求めに応じてその場でボトルから別の容器に詰めて販売することも可能です。

デメリットとしては、記帳義務や販売数量報告義務など、酒類販売業者として守らなければならない義務が発生するほか、申請書の準備に意外と手間がかかり時間を取られることが予想されます。

制度発表当初は、提出書類も少なく使い勝手がよい制度に見えたのですが、現状を見ますと提出書類が増えてしまい、手間と時間を取られる手続きになってしまっています。

とはいえ提出期限は6月末までですから、長期戦を見据えて今回免許の申請をしておくのもよいかもしれません。

提出書類

初回申請時に必ず提出する書類

初回申請時には、最低限以下の書類の提出求められております。さらに、後から追加で提出する書類があります。

  1. 酒類販売業免許申請書
  2. 販売業免許申請書次葉1、次葉2
  3. 会社登記事項証明書(法人)又は住民票(個人)

申請書の提出後、追加で提出する書類

  1. 販売業免許申請書次葉3
  2. 販売業免許申請書次葉6
  3. 酒類販売業免許の免許要件誓約書
  4. 店舗の賃貸借契約書のコピー
  5. 都道府県及び市区町村が発行する納税証明書(未納の税額がないこと及び2年以内に滞納処分を受けたことがない旨の証明)
  6. 会社の定款コピー(個人申請の場合は不要です。)

さらに、上記以外の書類を、参考資料として提出を求められることがあるようです。

国税庁ホームページで申請書様式をダウンロード

※国税庁のホームページで、申請書の様式と記入例がダウンロードできるようになっています。

申請書の記入例をダウンロード

※申請書の1ページ目の記入例を詳しめに作成しました。

都道府県及び市区町村が発行する納税証明書とは

法人であれば本店所在地の都道府県+市区町村役所、個人であれば住民票の住所地の都道府県庁+市区町村役所で発行される、納税証明書が必要です。

ただし、本店が東京23区内にある法人の場合は、東京都税事務所のみから証明をもらえば、区役所の証明書は不要です。

一方、東京都内に住所がある個人の方や、本店所在地が東京23区外にある会社の場合は、原則通り都税事務所の証明+市区町村の証明が必要です。

証明内容は、以下の2点です。(通常の納税証明ではないので注意が必要です。)

  • 未納の税額がないこと
  • 2年以内に滞納処分を受けたことがないこと

この証明書は、即日発行してもらえない役所もありますし(成田市など)、引っ越しをしたばかりであったり新設法人である場合は証明書を発行しない自治体もあります。どうしても証明が入手できない場合は税務署に相談しましょう。

提出先

店舗がある場所を管轄する税務署

提出方法

持参又は郵送

提出期限

令和2年6月30日まで受付

税務署手数料/登録免許税

税務署に納付する手数料や登録免許税はかかりません。

税務署に問い合わせをしたいとき

すべての税務署に酒類の担当がいるわけではなく、地区ごと特定の税務署に酒類指導官部門がおかれています。

千葉・東京・神奈川・山梨の酒類指導官設置税務署