酒類販売業免許は販売場ごとに取得する免許です。そして、通信販売酒類小売業や酒類卸業のように店舗内に陳列棚を設置して酒類の販売を行わない場合であっても、酒類販売業を営む事務所は販売場に該当します。
この販売場は一定の条件を満たさなければ酒類販売業免許を受けることはできません。酒類販売業免許を受ける販売場の条件について、以下で詳しく見ていきましょう。
用途地域による制限
用途地域が都市計画法・建築基準法等に違反して退去を命じられている場合ではないことが求められます。
小売業や卸売業の事務所として使える用途地域であることが必要ですから、市街化調整区域での営業は原則として不可能です。この用途地域は、市役所の都市計画課に電話をして住所を伝えれば確認することができます。
農地法の制限
農地では酒類販売業免許は受けられません。農地か否かの判断は非常に簡単で、販売場の全ての土地登記簿の地目を確認して、「農地」と記載している場合はこのままでは免許を受けられません。土地が数筆に分かれていて、その一部に農地がある場合も考えられますが、一部でも農地があればこの制限に該当します。
この場合、農地転用が必要です。逆に、登記簿上の地目が農地であっても、農地転用済か或いは非農地証明が出る場合は免許を受けることができます。
酒税法10条9号関係の要件(場所的要件)
正当な理由がないのに取締り上不適当と認められる場所に販売場を設けることは認められません。たとえば、以下の場合がこの要件に該当します。
- すでに酒類製造・販売免許を受けている場所で、他社が新たに販売行免許を取得する
- 酒場又は料理店等と同一の場所
- 他の営業主体の営業と明確に区分されていない
上記に該当する場合であっても、一定の予防措置を講ずる場合には酒類販売業免許を受けられるケースがあります。
酒類販売管理者
酒類の小売業を営む場合は、酒類販売管理者を配置しなければなりません。また、販売場の面積や酒類販売管理者の勤務状況によっては、一定数の酒類販売管理者に代わる者の配置が必要です。
次の1~7に該当する場合は、酒類の販売業務に従事する者の中から酒類販売管理者に代わる者を責任者として必要な人数を指名し、配置しなければなりません。
なお、責任者はできるだけ成年者とし、特に夜間(午後11時から翌日午前5時)においては成年者を配置してください。
- 夜間(午後11時から翌日午前5時)において、酒類の販売を行う場合
- 酒類販売管理者が常態として、その選任された販売場に長時間(2~3時間以上)不在となることがある場合
- 酒類売場の面積が著しく大きい場合(100平方メートルを超えるごとに、1名以上の責任者を指名)
- 同一建物内において酒類売場を設置している階が複数ある場合(酒類販売管理者のいない各階ごとに、1名以上の責任者を指名)
- 同一の階にある複数の酒類売場が著しく離れている場合(20メートル以上離れている場合)
- 複数の酒類売場が著しく離れていない場合であっても、同一の階において酒類売場の点在が著しい場合(3箇所以上ある場合)
- その他酒類販売管理者のみでは酒類の適正な販売管理の確保が困難と認められる場合
実質的な要件
面積
販売場の面積は何平米以上でなければならないという要件はありませんが、陳列棚を置かない場合であっても事務机及び帳簿類の保管棚を置くスペースは確保しなければ免許を受けるのは困難でしょう。
また、倉庫のスペースがない場合は、酒類の保管をどうするかの説明ができなければなりません。
必要な人員
酒類販売業免許は兼業でも受けることが可能ですが、販売管理者は原則的に販売場に常駐していることが求められますから、個別の事情に応じて酒類販売管理者は別に立てるか、又は酒類販売管理者に代わる者の配置が必要になることがあります。
自宅兼事務所ではダメ?
自宅と兼用でもかまいませんが、販売場は居住区画とは明確に分かれていなければなりません。
もっとも分譲マンションの場合はマンション管理規約上営業目的の使用が禁止されていないかの証明が求められることがあります。
また、賃貸マンションやアパートの申請の場合は、そのままでは免許が受けられないことが多いので、追加書類の用意が必要です。
他社と兼用スペースではダメ?
他社と事務所を兼用する場合であっても、酒類販売業免許は受けることができますが、人員・設備・経理について明確に区分されていることが求められます。
酒類販売業免許申請のご相談窓口
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当事務所が用意する書類に署名と印鑑を押すだけで、かんたんに酒類販売業免許が取れます。
お電話によるお問い合わせは 03-3257-1195 (平日9:00~18:00)へお願い致します。
