個人で酒類販売業を営んでいた方が、事業を法人化して引き続き酒類販売業を行う場合は、酒類販売業免許の法人成りの手続きをすることにより、引き続き法人として酒類販売業を営むことができます。
法人成りの手続きをすると、個人で持っていた免許と同じ内容の免許を法人に引き継ぐことができます。
ただし、法人成りの手続きを利用する場合は一定の条件をクリアしなければならないので、以下でみてみましょう。
法人を設立する主体について
酒類販売業者である個人が主体となって法人を設立する場合、又は酒類販売業者である2以上の個人が合同して法人を設立する場合である必要があります。
したがって、免許を取得していない方が主たる株主となるような会社を設立する場合は、法人成りの手続きを取ることはできません。
既存の免許の取り消し申請書の提出
個人で取得していた免許は、法人成り新規の申請書の提出と同時に取り消し申請書を提出する必要があります。
免許要件をみたすこと
法人成り新規の場合は、純然たる新規申請に比べて要件の審査は簡略化されている部分もありますが、納税の有無等に関する人的要件と、直近の経営状況に関する経営の基礎に関する要件については新規申請と同様の基準で審査が行われます。
既存の販売場と同一の場所で営業すること
法人化の前後において、販売場は同一の場所である必要があります。
したがって、販売場を移転する場合は、あらかじめ移転許可申請をする場合を除き、法人成りの手続きをすることができません。
既存の販売場が休業場でないこと
1年以上引き続き販売を行っていない場合は、法人成り申請をすることができません。
また、全酒類卸売業免許又はビール卸免許については、直近1年の販売実績数量が100キロリットル以上及び50キロリットル以上であることが必要です。こうした実績がないときは全酒類卸売業免許やビール卸を法人に引き継ぐことはできません。