酒類の買取販売をする場合には、役所から営業許可を受ける必要があるケースがあります。酒類の買取販売を行う場合に必要となる役所の許可や免許についてまとめました。

古物商許可

一般に、酒類の買取をする際には古物商許可は不要とされています。酒類は古物営業法施行規則第2条において列挙された古物13品目のいずれにも該当しないからです。

酒類販売業免許

買い取った酒類を自己のために消費するのであれば、酒類販売業免許も不要です。

もっとも、買取した酒類を販売をする場合はやはり酒類販売業免許が必要となり、その販売先によって必要となる免許が異なります。

一般消費者に対して小売販売する場合

一般酒類小売業免許

買取した酒類を、一般消費者に対して店頭販売する場合や、販売場と同一の都道府県内の飲食店に業務卸をする場合は、一般酒類小売業免許が必要です。

ここで注意したいのは、一般酒類小売業免許を使って他県の飲食店に対して業務卸をすることは認められないものと考えたほうがよいでしょう。なぜならば、業務卸は通信販売の一種であると考えられるところ、販売場と同一の都道府県外への酒類の通信販売は、一般酒類小売業免許では行えないからです。

通信販売酒類小売業免許

買い取った酒類を、インターネット等で通信販売する場合は通信販売酒類小売業免許が必要です。

もっとも、通信販売酒類小売業免許には取扱い可能な酒類の大きな制限があり、事実上、買取した国産酒類を通信販売するのはほぼ不可能と考えたほうがよいでしょう。

古物商間で酒類取引をする場合

古物商間で酒類の取引をする場合は、そのすべての古物商が酒類卸売業免許を受けている必要があります。

必要な卸売業免許は、取引する酒類の種類により異なります。

清酒や焼酎を取り扱う場合

全酒類卸売業免許が必要です。しかし、全くの新規で全酒類卸売業免許を受けるのは、事実上不可能といってもよいでしょう。

ビールを取り扱う場合

ビール卸売業免許が必要ですが、全酒類卸売業免許と同様に、比較的大規模な設備や予定取引数量が求められることから、酒類の買取販売を行うためにこの免許を取得するのは現実的ではありません。

洋酒を取り扱う場合

果実酒やウィスキー等の洋酒を取り扱う場合は洋酒卸売業免許が必要です。この免許であれば、酒類買取業者であっても取得できる可能性はあります。

ただし、洋酒卸売業免許を受けるには、継続的な酒類の仕入れ先及び販売先を確保していることを証明しなければなりません。ところが、酒類の買取販売を前提にしていると、酒類の仕入れ先からの取引承諾書を受けるは非常に難しいのではないでしょうか。