酒類販売業者には、様々な法律により一定の義務が課せられています。こうした義務を守らないと刑罰や行政罰が課せられることがありますし、酒類販売業免許が取り消されてしまうことがあります。

酒税法の義務

酒類販売業者は、酒税法により義務が課されており、こうした義務を守らない場合は、1年以上の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。

記帳義務

酒類の仕入れ及び販売状況を帳簿に記録する義務があります。また、帳簿は販売場の備付けて帳簿の閉鎖後5年間保存しなければなりません。

こうした帳簿は原則として紙に出力して保存しなければなりません。パソコンのデータに記録されているだけではこうした義務を履行したことにはなりませんので注意が必要です。

仕入れに関する記録事項

酒類の区分及び種別(品目、税率適用区分及び容器容量)ごとに、仕入れ数量、仕入価格、仕入年月日、仕入れ先の住所及び氏名又は名称を記録しなければなりません。

販売に関する記録事項

酒類の区分及び種別(品目、税率適用区分及び容器容量)ごとに、販売数量、販売価格、販売年月日、販売先の住所及び氏名又は名称を記録しなければなりません。

ただし、店舗での小売販売の場合など、酒類の販売相手を確認することが困難であるは、販売先の住所及び氏名又は名称は省略可能です。

申告義務

異同申告書

住所や氏名などの変更等、一定の事由が生じた場合は、異同申告書を提出しなければなりません。

酒類の販売数量等報告書

会計年度ごとに酒類の品目別販売数量の合計数量と、3月末時点の在庫数量を記載した酒類の販売数量等報告書を提出しなければなりません。

酒類蔵置所設置・廃止報告書

販売場以外で酒類を保管する場合は、酒類蔵置所設置報告書の提出が必要です。

酒類の販売先報告書

税務署から酒類の販売先の住所、氏名又は名称の報告を求められたときは、酒類の販売先報告書により報告しなければなりません。

届出義務

酒類の詰め替えを行う場合は、2日前までに酒類の詰め替え届出書により届け出る必要があります。

酒類組合法上の義務

酒類販売業者には、酒類の保全及び酒類業組合等に関する法律による義務が課せられます。

酒類販売管理者の選任義務

酒類小売業者は、販売場ごとに酒類販売管理者を専任しなければなりません。この酒類販売管理者を適切に選任しなかった場合は50万円以下の罰金に処せられることがあります。

酒類販売管理者選任の届け出義務

酒類小売業者はが酒類販売管理者を選任・解任したときは、2週間以内に届け出なければなりません。この届け出を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられることがあります。

酒類販売管理者に研修を受講させる義務

酒類販売管理者になるには、酒類販売管理者講習を受講しなければなりません。

酒類販売管理者標識は、販売場の見やすい位置に掲示することが求められています。

表示基準の遵守

酒類小売業者は、未成年者による飲酒を防止するための適切な表示をする義務があります。この表示基準を遵守しなかった場合は、50万円以下の罰金が科せられることがあります。

報告義務

酒類小売業者は、毎年4月1日現在の酒類の陳列場所での表示の状況を、未成年者の飲酒防止に関する表示基準の実施状況報告書により報告しなければなりません。陳列棚がない場合であっても報告義務はありますので注意が必要です。