酒類販売免許の申請の際には、事業計画を作成するほか、計画の規模に応じた所要資金をまかなうだけの銀行の残高証明書や預金通帳のコピーの提出が求められます。

ご自身で酒類販売業免許の申請をして失敗するケースのほとんどは、事業計画の見通しが甘いということです。

まずは事業計画をしっかりと立てましょう

酒類販売業免許の申請書を作成した経験が一度でもあればお分かりいただけると思いますが、酒類販売業免許を取得するにあたり、ある程度の事業計画を作成することが求められます。

たとえば、店舗、取り扱う酒類の品目、年間の販売数量、店舗の人員の数、貸し倉庫の有無などについて、事前に見積もりを立てておかなければなりません。

年間の予定販売数量について

年間の予定販売数量をどれくらい見積もっておけばよいかという質問を受けることがあります。

ここで気をつけておきたいのが、税務署の担当官が一番気にする点は、利益がどれだけ出るかということです。

例えば、年間のイタリア産ワインを100本売るという事業計画を作ったとしましょう。

1本あたりに利益を1000円とすると、年間の利益は10万円となりますが、これでは事業とは言えませんので、この事業計画では酒類販売業免許を取得するのは困難ではないでしょうか?

酒類の販売額について

また、事業計画を作成する上で、仕入れた酒類をいくらで販売するかについても事前に考えておかなければなりません。

この点について、輸入酒類については船賃・日本国内の送料についても考えておく必要があります。

たまに、ワインの発注があるごとに1本づつワインを仕入れる旨の事業計画を立てられる方がいらっしゃいますが、本当にその計画で利益が出るのか、送料や通関の手間をきちんと事前に調査した上で、事業計画を点検しましょう。

事業資金について

酒類販売業免許を取得するためには、事業計画に見合った資金を明示しなければなりません。

事業計画をしっかりと立てておけば、必要となる事業資金も自ずと算出されることになります。

例えば、店舗の賃料が月10万円、月間の酒類の仕入額が10万円、人件費が月20万円であるとすれば、これらの合計額の1.5倍から2倍が一応の目安になると思います。

こうした事業資金がきちんと確保されているかを証明するために、銀行の預金通帳のコピーや銀行等の融資証明書の提出が必要となります。

融資証明書を出す場合は、銀行等の金融機関が発行したものを求められるのが通常であり、会社の代表者個人が発行した融資証明書や、関連会社や親会社の発行した融資証明書では受け付けてもらえないことが多いようです。