国産酒類の輸出は増加傾向

日本食が海外に広まるにつれて、国産酒類の輸出も増加する傾向にあります。

2013年の清酒の輸出額は105億2,400万円を記録し、4年連続で過去最高を記録ししていますが、特にアメリカへの清酒の輸出は10年前との比較で金額で2.3倍となり、リーマンショックにより一時的に輸出の落ち込みはあるものの、全体的には増加傾向を示しています。

国産酒類の輸出と国の成長戦略との関係

また、近年国の成長戦略やクールジャパン推進の一環として、国の政策として国産酒類の輸出環境の整備が進められています。

国の成長戦略である日本産業再興プランのひとつに農産水産物・食品の輸出促進が掲げられていますが、特に日本酒などの米加工品等は、日本食を特徴付ける食品(コンテンツ)として特に力が入れられています。

その政策の内容は人材育成、ビジネス環境整備、出資による支援、展覧会の開催など多岐にわたります。

また、クールジャパン戦略としても国産酒類の輸出は特に重要され、日本産酒類については2020年までの輸出額の伸び率が農林水産物・食品の輸出額の伸び率を上回ることを目標として、政府による情報発信が強化される分野とされています。

酒類を輸出するには酒類販売免許が必要

国産酒類の輸出をするためには、酒類小売業免許又は輸出酒類卸売業免許を取得する必要があります。

どちらの免許を取得するべきかが問題になりますが、海外の問屋によっては輸出酒類卸免許を取得することを求めてくる場合があります
また、管轄の税務署によっては、海外の消費者に対して酒類を販売する場合は酒類小売業免許を、海外の問屋に対して酒類を輸出する場合には輸出酒類卸売業免許を取得するように指示をしてくるケースもあります。
すなわち、海外の消費者に対してカタログやインターネットホームページを利用して通信販売する場合は通信販売酒類小売業免許を、海外のレストランやバーなどの飲食店等に対して酒類を販売するときは一般酒類小売業免許を取得しなければなりません。

もっとも、中国やアメリカなどへの酒類輸出については、飲食店(レストラン・バー等)への直接輸出が事実上不可能とされることがあるようです。

このことから、酒類を海外に輸出する場合には、輸出酒類卸免許の取得を検討するのが無難と考えられます。